初心者でもマンション経営がはじめられる
Kが2002年6月に発売した「K樽生一番搾り」(1502ミリリットル)は、家庭でもビアホールのように泡立ちのあるビールが飲めることをうたい文句にしていた。
この商品特性を生かすには、工場出荷時点から冷蔵温度帯で管理され、店頭に届けることが理想とされた。
Kの工場からSの温度管理の施設のあるディストリビューションセンター(DC、在庫拠点)までKの物流網で配送してもらい、DCからチルド共同配送センターに運ばれる。
ここで「K樽生一番搾り」は他の冷蔵管理が必要な商品と一緒にチルドの共同配送のトラックで各店舗に配送され、冷蔵ケースに陳列される。
Kが同年7月に発売した「まろやか酵母」(330ミリリットル)もチルド物流なくして店頭に並ぶことはなかった。
ビールは醸造後に濾過をするのが一般的な製造方法だった。
これは常温で配送、保管が出来るようにするためで、濾過しないビールを常温で置いておくと味や香りが変化し、商品にならないからだった。
しかし、摂氏10度以下での温度管理がしっかりしていると濾過せずに済み、ビール工場で飲むような味や香りが実現できた。
配送の都合でビールを作るのではなく、おいしさに合わせるようにビールを作り、配送体制を整えれば、消費者にも支持されると、KとSは考えた。
通常のビールよりも価値を打ち出すことが可能となり、値引き販売に巻き込まれることもない商品になった。
温度管理のできる流通業はそのころSだけ。
S専用の商品として「まろやか酵母」がデビューした。
その後、ビール各社は相次いでチルドビールを開発し、主にS向けに供給している。
S専用商品を作ることに対し、「小売りの下請けになってしまう」と渋い顔をするメーカーの幹部がいるのは事実である。
しかし、総店舗数で1万店を超える「S」と本格的に取引をすると、「工場の生産ラインをフル稼働させる」(ビールメーカー幹部)ことにもなる。
流通チャネルを限定することで乱売合戦に巻き込まれないばかりかSのPOSデータが使えるため、商品の製造計画の精度が高まるメリットもある。
品質が保たれた状態で「S」各店舗に商品を届けているトラック。
店舗からの発注情報に基づいて、消費者が買いたい商品を買いたい時に、買いたい数量だけ毎日安全に運ぶ役割を担っている。
Sは物流機能の改革を進めてきたが、配送トラックに対しても技術革新を取り入れて、ドライバーの負担を軽減し、安全運転の後方支援に取り組んでいる。
例えば2006年から順次、配送トラックに新たな車載端末を取り付けている。
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